NIDSコメンタリー 第373号 2025年4月28日 イエメン情勢クォータリー(2025年1月~3月)——第2次トランプ政権の発足で変貌するイエメン情勢の景観
- 理論研究部社会・経済研究室 研究員
- 𠮷田 智聡
エグゼクティブ・サマリー
- フーシー派は1月のガザ停戦合意発効後、一時対外攻撃を停止した。しかし3月に米軍から空爆されたことで、対外攻撃を再開した。一部の指導者たちは潜伏状態に入っており、斬首による被害を避けようとしている。国内では、マアリブ県方面の前線でエスカレーションが見られた。フーシー派に対して大規模な空爆が行われる中、国際承認政府がホデイダやサナア奪還のために陸戦を再開させるのではないかという見方が強まっているが、再開には様々な条件が整う必要である。
- アリーミー政権派では、首相とその他閣僚の軋轢が報じられた。首相アフマド・ビン・ムバーラクは反汚職の急先鋒として振る舞う一方、電力等の社会・経済問題を解決できていない。経済状況の深刻化を問題視する複数の閣僚は、大統領に対して首相更迭を求めたとみられる。
- 南部移行会議は、「アラビア半島のアル=カーイダ(AQAP)」との戦いを継続したほか、同組織系の治安部隊「治安ベルト」は、フーシー派から支援を受けたセルの破壊工作を阻止した。南部移行会議の支配下にあるアブドゥルクーリー島では、UAEによって滑走路が建設されたとみられる。
- 第2次トランプ政権が発足した米国は、フーシー派を「外国テロ組織(FTO)」に再指定するとともに、3月15日以降、民間人被害を厭わない形で同派支配地域に対する大規模な空爆を開始した。トランプ政権はバイデン政権と対照的かつ強硬なアプローチを取ったといえる一方、攻撃計画がソーシャル・メディアを介して漏洩し、米国内の政治問題にまで発展している。
(注1)本稿のデータカットオフ日は2025年3月31日であり、以後に情勢が急変する可能性がある。
(注2)フーシー派は自身がイエメン国家を代表するとの立場をとるため、国家と同等の組織名や役職名を用いている。本稿では便宜的にこれらを直訳するが、これは同派を政府とみなすものではない。
【図1:イエメン内戦におけるアクターの関係】
(注1)大統領指導評議会の中で、サウディアラビアの代理勢力と評される組織を(◆)、UAEの代理勢力と評される組織を(◇)とした。
(注2)代表的なアクターを記載した図であり、全てのアクターを示したわけではない。
(出所)筆者作成
フーシー派:トランプ政権との衝突加速
本四半期のフーシー派の軍事動向は、①1月19日までのガザ停戦合意発効前、②1月19日から3月15日の米軍による空爆開始まで、③3月15日以降の空爆開始後に分類される。先に全体を概観すると、本四半期中にフーシー派は17回の攻撃を実施した[図2左参照]。ガザ停戦発効(1月19日)からドナルド・トランプ(Donald Trump)政権の大規模空爆開始(3月15日)までフーシー派は対外攻撃を停止したため、攻撃回数は前四半期と比して減少した。また、3月16日に報復として紅海上の空母「ハリー・トルーマン」へ攻撃したが、それ以外は全てイスラエル本土を狙ったものであった。イスラエル軍は同派のUAVやミサイルの撃墜に成功しており、破片による家屋等への限定的な被害に留まっている。なお過去5四半期のフーシー派の軍事活動1、および1月11日の米英空爆については別稿で示したため、別途参照されたい2。
少なくともACLEDのデータ上では、本四半期中フーシー派による商船に対する攻撃は行われなかった。スエズ運河を通航する船舶数は、ガザ停戦を機に増加したものの、2024年1月の米英空爆開始以前の水準には達していない[図2右参照]。米国とフーシー派の交戦が続き、同派が敵視するイスラエルがガザ地区で軍事作戦を再開して緊張状態が再び高まった点に鑑みると、海運企業にとって(商船攻撃は停止していても)スエズ運河航路を再開する合理的な理由はないと考えられる。
【図2左:フーシー派の攻撃回数推移(2023年10月19日~2025年3月31日)】
【図2右:スエズ運河の通航船舶数推移(2022年10月19日~2025年3月31日)】
(注)「未確認事象(uncorroborated events)」を除き、「阻止された攻撃(intercepted attacks)」および「イスラエルへの攻撃(attacks on Israel)」を含めて集計。
(出所)ACLED, IMF Port Watchを基に筆者作成
1月19日にガザ地区で停戦合意が発効するまで、フーシー派はイスラエル本土への航空攻撃を通して同国に対する圧力強化を試みた。イスラエルはこれらを迎撃するとともに、1月10日にサナアの大統領宮殿やホデイダ港を攻撃した3。同派は同月15日の停戦合意成立から19日の発効までの間、状況を監視するとの立場を取ったうえで、18日にミサイルを発射するなど強硬的な姿勢を示した4。停戦合意が発効すると、最高指導者アブドゥルマリク・フーシー(‘Abd al-Malik al-Ḥūthī)は、自派の軍事作戦はイスラエルがどの程度合意を履行するかに左右されると述べた5。
ガザ地区で停戦合意が発効すると、フーシー派は対外攻撃に関してディエスカレーションの動きを見せ、発効(1月19日)からトランプ政権の空爆開始(2025年3月15日)まで、対外攻撃を停止した。1月19日に同派の人道的運営調整センター(HOCC)は、攻撃対象をイスラエル関連船舶に限定し、米英関連船舶を除外すると表明した6。さらに同月22日に同派はハマースとの調整、およびオマーンの仲介の下で「ギャラクシー・リーダー」号の乗組員25名を解放した7。しかし2月中旬に停戦第1段階の実行や第2段階の協議が難航し、当時人質解放延期を発表していたハマースに連帯する形で、アブドゥルマリクは攻撃を再開する用意がある旨を警告している8。さらに3月11日にフーシー派はガザ地区に支援物資が搬入されるまで、紅海、アラビア海、バーブ・マンデブ海峡、アデン湾におけるイスラエル関連船舶の通航禁止措置「再開」を表明した9。しかし前述の通り、停戦合意発効後の攻撃停止対象にイスラエル関連船舶は含まれていなかったため、厳密には「再開」ではない。
3月15日に米軍が首都やサアダ県への大規模な空爆を開始すると、アブドゥルマリクは「我々は、エスカレーションにはエスカレーションで対抗する」と述べ、応戦の構えを見せた10。フーシー派は3月16日以降、紅海上の米艦艇を攻撃するとともに、米軍の無人機「MQ-9リーパー」を撃墜しているほか、イスラエル本土への攻撃を再開した。なお、イスラエル軍は3月18日に弾道ミサイル迎撃システム「アロー」により、同派の弾道ミサイルをサウディアラビア上空で撃墜したと発表した11。これらの対外攻撃とは別に、フーシー派は本四半期を通してマアリブ県方面でエスカレーションの動きを見せた。
【図3:空爆前後の在サアダ県癌センター】
(注)左が空爆前(2024年8月)、右が空爆後(2025年3月)。
(出所)Wikāla al-Anbā’ al-Yamanīyaより引用
米国の空爆激化に伴い、フーシー派は指導部の被害を局限するための対策を講じている。前四半期同様に内務省系インテリジェンス機関「治安諜報局」は、スパイとして摘発を実施した12。さらに同派による国連職員の拘束が続いており、国連は同派支配地域への入域や支配地域内での移動を停止した13。これらの同派が脅威とみなす人物の拘束に加え、フーシー派の一部幹部は(2024年9月下旬~12月上旬頃に見られた)潜伏状態に再度入った。その代表格は大統領マフディー・マシャート(Mahdī al-Mashāṭ)や国防大臣ムハンマド・アーティフィー(Muḥammad al-‘Āṭifī)であり、彼らの居所は不明になった。またエイプリル・ロングリー・アリー(April Longley Alley)は、フーシー派の軍事指導者が情報漏洩を恐れて電話の使用に懐疑的となっており、それゆえにサナアとサアダのメッセージ伝達はより困難、かつより多くの時間がかかるようになったとの見方を示した14。
こうした指導部に関連した情報発信が弱まる中で、幹部の死亡説など誤情報・偽情報が多数出回っており、イエメン情勢を巡る情報の不透明性が高まっている。他方で、同派は指導部潜伏によって生じかねない体制不安にも対策を講じており、ムハンマド・フーシー(Muḥammad ‘Alī al-Ḥūthī)や首相アフマド・ラフウィー(Aḥmad al-Rahwī)は、大統領や国防大臣が潜伏状態にある間も積極的に(居所を把握できる形で)露出を続けた15。
幹部の生死を巡る情報の不確実性は高まっており、それゆえに空爆がフーシー派に与えている影響を評価することも一定の困難を伴う。しかし、同派軍人の死に伴って開かれる葬儀の映像を収集・分析した元Navanti Groupのムハンマド・バシャ(Muḥammad al-Bāshā)によれば、主に尉官級将校が殺害された16。そして筆者自身の調査範囲でも、軍管区長や旅団長等の高位軍人(少将・准将級)の被害は、海軍参謀総長マンスール・サアディー(Manṣūr al-Sa‘dī)の負傷など、本四半期では限定的であったとみられる。政治指導部レベルでは3月15日に情報大臣ハーシム・シャラフッディーン(Hāshim Sharaf al-Dīn)が負傷し、フーシー派側情報省はこれを「交通事故」であると説明したが、空爆による負傷である可能性は否定できない17。いずれにせよ、本四半期に限定すれば中核レベルの政治・軍事指導部は温存された模様であり、作戦開始から約3週間で10億ドル近くを費やした空爆は、トランプ政権の当初想定ほどの費用対効果を得られていない可能性がある18。
対する米国側について状況を整理すると、トランプ政権はフーシー派が米国に対してテロ行為を繰り返してきたと主張し、同派が攻撃を停止するまで作戦を「容赦なく」続ける意思を示すとともに、イランに同派支援停止を要求した19。米軍統合参謀本部作戦部長アレクサス・グリンケウィッチ(Alexus Grynkewich)は、今般の作戦がバイデン政権期よりも広範な対象を標的としていると述べた20。トランプ自身も「バイデンの対応は哀れなほどに弱かった」と述べており、自身のアプローチはバイデンのそれよりも強力である旨を強調した21。しかしこうした誇示とは対照的に、トランプ政権のイエメン介入を巡っては、関係閣僚がソーシャル・メディア『シグナル』を用いて攻撃計画に関するやりとりを行っていたことが露呈した。このいわゆる「シグナルゲート」事件は、本稿執筆時点で既に国防省監察総監による調査開始が発表されており、米国では政治スキャンダルに発展している22。しかし司法長官が調査を求めない意向を示したように、トランプ政権は本事件を封じ込めようとしている23。
米国が3月15日以降空爆を強化したことは前述の通りであるが、「イエメン・データ・プロジェクト(YDP)」のデータからは攻撃対象の変化を指摘できる[図4参照]。YDPのデータを見ると、トランプ政権の攻撃対象はバイデン政権期の米英のそれとは大きく異なることが分かる。トランプ政権による空爆全97件の内、約半数を占める48件は「不明」であり、次点で「民間人(23件、23.7%)」が多かった。前四半期の「イエメン情勢クォータリー」でも述べたが、バイデン政権は軍事アセット(図内では「軍事・治安標的」や一部「インフラ」に相当)への戦術爆撃を行い、民間人被害を抑える形でフーシー派の抑止を目指してきた。YDPのデータは精査を経て遡及的に修正されるため、本稿執筆時点(4月中旬)では「不明」に分類されたトランプ政権の空爆対象が後に「軍事・治安標的」に再分類される可能性は否定できないが、少なくともトランプ政権はイエメンで民間人被害が生じることを躊躇していないように見受けられる。実際に民間人負傷者数(Civilian Causalities)を比べると、バイデン政権期は約1年(2024年1月12日~2025年1月19日、空爆308回)で85人であったのに対し、トランプ政権期は約2週間(2025年3月15日~2025年3月31日、空爆97回)で97人であった。フーシー派は空爆によって死傷した子供の写真を公開しており、同派としては米国の非人道性を訴えかけ、支配地域内において反米感情を高めたい思惑があるとみられる。
【図4左:バイデン政権期米英によるフーシー派の空爆対象(2024年1月12日~2025年1月19日)】
【図4右:トランプ政権によるフーシー派の空爆対象(2025年3月15日~2025年3月31日)】
(出所)Yemen Data Project(YDP)を基に筆者作成
最も重要な問いは、こうした対外的な戦局の変化(フーシー派への打撃)がイエメン内戦の決定的な局面転換、すなわち陸戦の再開につながるのかという点であろう。特に国際承認政府が同派支配下のホデイダやサナア奪還のための地上作戦を実施するかは、大きな焦点となっている。確かにトランプ政権の空爆により、フーシー派はここ数年で最も軍事的に脆弱な状態にあるとみなせる。陸戦再開論者の見方を借りれば、2022年4月の停戦合意以降閉じられていた軍事的決着の「機会の窓」は、再び開いたといえるかもしれない。それでもイエメン研究者やアナリストにとって、この問いは予測困難なものとなっており、本稿においても陸戦再開の機運は過去3年間で最も高まっていることには同意するものの、そうした機運が実際の地上作戦につながるかは明言し難い。ただし陸戦再開にはいくつかの条件が必要であり、以下ではそれらに関する従来指摘されてきた制約を整理する。
地上作戦実施に当たっては、まずサウディアラビアがフーシー派からの航空攻撃を耐える方針に再転換し、イランとの関係悪化を厭わない意思を有していることが必要となる。サウディアラビアは2015年から2022年までの軍事介入を通して、同派を軍事的に排除できない現実に直面し、その後は和平交渉を通した安全保障の確立を模索してきた。地上作戦を再開すれば、フーシー派は過去にも度々同国に警告を発してきたように、サウディアラビアの政治・経済中枢に対する航空攻撃を行うであろう。そして、サウディアラビアは2023年の国交正常化合意に代表されるように、近年イランとの関係改善を進めてきた。この動きは変わっておらず、米国大統領選挙が白熱していた2024年10月にはイラン・サウディアラビア合同海軍演習が実施されたほか、トランプ再選が確定した後の11月にも参謀総長級会談が開かれた。仮にサウディアラビアが陸戦再開を決定すれば、イランにとってフーシー派は「抵抗の枢軸」における数少ない残存勢力であるため、二国間関係の悪化は避けられない。
次に、国際承認政府内の諸派を支援してきたサウディアラビアとUAEの合意が必要である。地上作戦を行う実際の部隊は、イエメン国内の反フーシー派諸勢力であり、これらは主にサウディアラビアの影響下にある組織と、UAEの影響下にある組織に大別される。そしてこの代理勢力の乱立は、イエメン内戦を一層複雑なものにしてきた一因である。南部移行会議は大統領支持派と絶えず権力闘争を繰り広げ、南部独立を追求してきた。他方でサウディアラビアはサラフ主義系の大統領直轄部隊「祖国の盾」を創設したが、これは一般に同じサラフ主義でUAEの支援を受ける巨人旅団に対抗する側面が指摘されてきた。すなわち、イエメン内戦にはサウディアラビアとUAEの地政学的競争という側面もあり、両国がこうした問題を棚上げ、もしくは解決することができるかという点にも着目を要する。
最後に、西海岸地域以外に展開する国軍や南部移行会議系部隊が、国民抵抗軍を支援すべく他の前線でフーシー派に対して圧力をかける、すなわち多正面作戦を実施する必要がある。この点において、仮にサウディアラビアとUAEが同派との軍事的決着に方針を転換したとしても、旧北イエメン地域に対する領土的野心を持たない南部移行会議が北進するかは不明である。南部移行会議にとって目下の懸念はアブヤン県やシャブワ県のAQAP、および後述するハドラマウト県の情勢である。また南部移行会議とフーシー派は現状、南北を実効的に分割支配している状態にあるため、南部独立を目指す同組織が均衡を崩すことに利益を見出すかという点にも疑問が残る。
米国は非軍事的手段においても、フーシー派に対する圧力を強めた。米国財務省外国資産管理室(OFAC)は、1月17日にイエメン・クウェート銀行に制裁を科したほか、3月4日に国務省がフーシー派を外国テロ組織(FTO)に再指定した24。3月5日にはフーシー派の政治・軍事幹部7名に加えて、ロシアへのイエメン人派兵を手引きしたアブドゥルワリー・アブドゥ・ジャーブリー(‘Abd al-Walī ‘Abd-hu al-Jābrī)および彼の企業がOFACにより制裁を科された25。このほかに政治事務局メンバーであるムハンマド・ブハイティー(Muḥammad al-Bukhaytī)らの『X』アカウントが閉鎖され、国連安保理専門家パネルの報告書が関連企業に求めていた、フーシー派によるソーシャル・メディアの悪用に対する措置が一部実施された形である。ただし、同派関連のアカウントの多くは本稿執筆時点でも閉鎖されていないため、X社がどのような基準で同派関連アカウントを閉鎖しているかは不明である。
米国とフーシー派の衝突が加速するにつれ、米国の保守系政策コミュニティがオマーンを非難する姿勢を強めつつあることは懸念すべき点である。オマーンは2015年にイエメン内戦が勃発して以来、フーシー派と国際承認政府の仲介を務め、和平交渉などにおける同国の役割は(同じく仲介を実施する)国連などからも高く評価されてきた。しかし、オマーンはアブドゥッサラームなどのフーシー派幹部に拠点を提供しているうえ、同国西部は同派の密輸経路の1つとして利用されている。1月31日に米国共和党議員ジョー・ウィルソン(Joe Wilson)は、オマーンが同派を受け入れるのではなく孤立させる必要があるとの認識を示し、同派のマスカット拠点閉鎖やマネーロンダリングの停止、国境閉鎖を主張した26。また保守系シンクタンク「民主主義防衛財団(FDD)」に所属し、第1次政権期からトランプと近かったとされるジョナサン・シャンザー(Jonathan Schanzer)は、オマーンがフーシー派を支援しているとの見解を示した27。このほかにワシントン近東政策研究所(WINEP)のマイケル・ナイツ(Michael Knights)は兵器密輸阻止のうえで、紅海ルートと並びオマーン陸路の密輸ルートが重要である旨を言及した28。ただしこうした見解自体は米国保守にとって新しいものではなく、例えばジョン・ボルトン(John Bolton)を輩出したことで知られるアメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)では、イエメン南部分離主義支持者でもあるマイケル・ルービン(Michael Rubin)が、2022年1月時点でオマーンにフーシー派を孤立させることを求めていた29。ジョセフ・バイデン(Joseph Biden)政権期と比して保守系の論調が反映されやすい状態に鑑みると、米国政府がオマーンに対フーシー派政策の変更を求める可能性は高まっていると考えられる。
米国でオマーン批判が高まる中、オマーン税関は3月28日に密輸経路と指摘されてきたドファール県において、ドローン3機の密輸を試みたイエメン人の逮捕を発表した30。またオマーン出身の高名な国際政治学者アブドゥッラー・バーウブード(‘Abd Allāh Bā‘ubūd)は、オマーンがフーシー派を支援しているという非難はイスラエルの主張に関連しており、むしろ実際にはオマーンは交渉場所の提供や捕虜解放の手助けをしてきたと反論した31。前述の通りフーシー派関連の仲介に果たしてきたオマーンの役割は大きく、国家としては唯一無二の存在である。仮にマスカット拠点が閉鎖に追い込まれても、同派は拠点をモスクワかテヘランに移すことが考えられ、交渉にかかる諸コストを上げるだけであろう。米国保守系の外交面での強硬な主張は、短期的に同派に打撃を与えるとしても、中長期的には米国にとってすら不利益をもたらしかねない。
内政面では、フーシー派は3月22日から同月25日にかけて国際会議「パレスチナ-ウンマの中心的課題-」を主催し、内外に自派の正統性や国際的なネットワークを誇示した。第3回にあたる本会議には、イラク元首相アーデル・アブドゥルマフディー(‘Ādil ‘Abd al-Mahdī)や元ボリビア外務大臣フェルナンド・ワナクニ(Fernando Huanacuni)、元南アフリカ議員でネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)の孫にあたるマンドラ・マンデラ(Mandla Mandela)、元欧州議会議員マイケル・ウォレス(Michael Wallace)など多数が出席した。米国からはジャクソン・ヒンクル(Jackson Hinkle)とクリストファー・ヘラリ(Christopher Helali)が同会議に現地出席したが、この間も米国は空爆を実施した。さらにフーシー派メディアはアジア系とみられる男性参加者を「上海大学地中海研究センター長Mao Xiaolin」と紹介したが、管見の限りではそのような研究センターは見当たらない。これらの参加者はパレスチナ連帯や同派への称賛を述べるとともに、空爆を受けたサアダ県の癌センターを視察した32。
アリーミー政権派:首相を巡る政府内の不協和音
アリーミー政権派は1月上旬に、汚職問題にかかる調査の完遂を命じた33。検察当局によれば、20件以上の公金横領やマネーロンダリング、テロへの資金供与や脱税に関する刑事訴訟が進められている。例えば在外公館の汚職では、在ジェッダ・イエメン領事館は2018年から2022年に得られた旅券収入1億5,660万サウディリヤルを預け入れず、1,275万サウディリヤルのみが国庫に納められていたという。在エジプト大使館でも汚職があったほか、フーシー派に関連する企業や個人の資産が凍結された。イエメンの汚職体質はフーシー派・国際承認政府を問わず、あるいは内戦以前から続いてきた問題であり、一朝一夕に解決できる問題ではない。しかしアリー・アブドゥッラー・サーレハ(‘Alī ‘Abd Allāh Ṣāliḥ)政権期を見ても、大統領や軍、政党などの権力機構内で不法に富や権力が分配され、周縁化された人々がフーシー派や南部分離主義、自治拡大運動に傾倒していったことに鑑みれば、汚職問題は無視することができず、国際社会が積極的に関与していくべき課題の1つといえるであろう。
本四半期には、反汚職の急先鋒として振る舞ってきた首相アフマド・ビン・ムバーラク(Aḥmad bin Mubārak)の首相交代説が飛び交ったが、実現しなかった。大統領ラシャード・アリーミー(Rashād al-‘Alīmī)はビン・ムバーラクの下で電力不足や通貨価値の急落等の諸問題が悪化していることを問題視して更迭を望んでいる一方、サウディアラビアや西側の大使などが拒否しているとされる。しかし首相に対する不満は高まっているとみられ、3月にビン・ムバーラクが閣僚会合開催を通達したものの、3名しか集まらずに会合がキャンセルとなった旨が報じられた。また7名とも16名とも言われるが、現役の大臣複数名がアリーミーに首相更迭を求めたとみられる34。7名説を報じた『マスダル』によれば、その7名はビン・ムバーラクが内閣再編の中で更迭を模索していた大臣たちであり、国際承認政府内の不協和音は広がっていると考えられる35。
アリーミーは2月にミュンヘン安全保障会議(MSC)に出席し、紅海情勢に関するセッションに登壇した36。アリーミーは紅海を「脅威の源泉」から「平和の架け橋」に変えるために、国際承認政府への支援と兵器の密輸などイランの役割を抑止することが重要であると主張した37。3月16日にはアリーミー出席の下で統合作戦局の会議が開かれ、各前線の状況や米国の空爆に関する報告がなされた38。この会議には南部移行会議系の軍人である統合作戦局長サーレハ・ターリブ(Ṣāliḥ Ṭālib)や、制服左腕部に国民抵抗軍のワッペンを着けた将官(名前不明)が参加しており、反フーシー派諸勢力間での情報共有が行われたとみられる。これらのほかに親政権派民兵(PGM)「最高人民抵抗評議会」は、タイズ県やマアリブ県を中心に集会を開き、フーシー派との闘争に向けた即応性を強調した。
南部移行会議:ズバイディーの南部全県視察
前四半期と同様に、南部移行会議はアブヤン県等において「アラビア半島のアル=カーイダ(AQAP)」との戦闘を継続した。南部移行会議系部隊は同県に所在するAQAPの基地を制圧したほか、米国が1月に実施した空爆によって複数のAQAP幹部が死亡したとみられる。このほかに、3月下旬に南部移行会議系部隊「治安ベルト」は、アデンで破壊工作を試みたとしてフーシー派から訓練等を受けたセル(4名構成)を逮捕した39。治安ベルトによれば、同派は南部の経済的苦境を利用する形で、南部出身の若者を要員にしているという。1月と2月にはアデンで経済状況の改善を求める大規模なデモが起こっており、フーシー派が浸透する余地はあると考えられる。
最高指導者アイダルース・ズバイディー(‘Aydarūs al-Zubaydī)は、世界経済フォーラム第55回年次総会(ダボス会議)に合わせてスイスへ渡航した。ズバイディーは各国要人と会談を行うとともに、『ロイター通信』のインタビューに応じた40。このインタビューでは、トランプ政権の強力なリーダーシップは、フーシー派の軍事力増強を許したジョセフ・バイデン(Joseph Biden)政権とは対照的であるとの認識が示された。南部移行会議は、紅海等における平和実現のための米英による措置に対する支持を示している41。このほかに、3月にズバイディーは南部全県(アブヤン、ラヘジュ、ダーリウ、アデン、シャブワ、マフラ、ハドラマウト、ソコトラ諸島県)を訪問し、県有力者との会談や開発プロジェクトの視察、および各県が抱える課題に沿った演説などを行った。
1月15日に『AP通信』は、ソコトラ島とソマリアの間に位置するアブドゥルクーリー島に滑走路が建設され、完成間近であると報じた42。同社はUAEがこの滑走路を建設した可能性が高いと指摘しており、衛星画像では滑走路横に “I Love UAE” という文字が確認できる。アブドゥルクーリー島はUAEが支援する南部移行会議の支配下にあり、また2021年にもUAEによるとみられるバーブ・マンデブ海峡周辺のマイユーン島(ペリム島)での滑走路建設が報じられたことから、UAEがアブドゥルクーリー島においても同様の試みを行っているとみなすのは妥当である。そして3月19日に運輸大臣アブドゥッサラーム・フマイド(‘Abd al-Salām Ḥumayd)は、「アブドゥルクーリー島空港」の開港を発表した43。UAEとしては同港を密輸船や海賊の監視、および情報収集に活用したい思惑があると考えられる。
南部移行会議副議長アブドゥッラフマーン・ムハッラミー(‘Abd al-Raḥmān al-Muḥarramī, 通称アブー・ザラア)が率いるサラフ主義系武装組織「巨人旅団」は、1月にバーブ・マンデブ海峡付近で(フーシー派の支配下にある)ホデイダ県の港へ向かう密輸船の阻止に成功したと発表した44。拿捕された密輸船は爆発物や雷管を積載しており、これらの部品はドローンや即席爆発装置(IED)の製造目的であったとみられる。このほかに、3月に巨人旅団はマアリブ県南部ハリーブ地区のミルアー前線にてフーシー派と交戦し、同派の攻勢を退けた45。
国民抵抗軍:フーシー派関連機密情報の積極的な公開
国民抵抗軍は、タイズ県西部カドハ等でフーシー派と交戦した。また同組織の海軍は諜報部から不審船の情報を受けて、「ザイド」号に乗船するイラン人9名およびパキスタン人3名を拘束した46。国民抵抗軍の発表によれば、ザイド号は肥料を積載して、別の船舶「イムラーン」号とともにイランのチャーバハール港からホデイダ県のサリーフ港へ向かう途中であった。イムラーン号はオマーン沖で沈没し、乗組員は救助されてパキスタンへ送還されたとされる。密輸にあたっては偽の積荷目録(マニフェスト)が作成され、仕出地をチャーバハールではなくパキスタンのカラチ港と偽っていた。さらにこの発表の翌日にも国民抵抗軍は密輸阻止の成功を発表しており、この密輸船は巡航ミサイルやUAV、レーダー等の部品を積載してジブチからサリーフ港へ向かっていた47。こうした発表からも明らかなように、イランからフーシー派への密輸は積極的に継続されているとみられる。
国連安保理の専門家パネルが報告したように、フーシー派はアフリカの角地域を密輸ネットワークとして利用するだけでなく、同地域出身者を傭兵として用いているとみられる。そうした中、国民抵抗軍は拘束に成功したエリトリア人の証言を公開した48。この証言によれば、イランにはエリトリア、ジブチ、エチオピアに跨って暮らすアファル人を起点として、アフリカの角地域側でバーブ・マンデブ海峡に影響を及ぼす勢力を創設したい思惑がある。イランはアファル人に分離独立にかかる軍事・財政支援を約束したうえで、フーシー派支配下のイエメンで軍キャンプを開設し、証言者自身もホデイダ北部のキャンプに送られたという。これらの情報公開は当然に情報戦の色合いを持っているため一定の注意を要する一方、フーシー派の海洋攻撃が国際社会に大きな影響を与えたことに鑑みれば、同派を支援してきたイランが、アフリカの角地域においても影響力を行使できる勢力の擁立を模索しているという見方は否定できない。こうした地域間を跨いだ越境的なネットワークを分析するには、イエメン一国研究に加えて「紅海沿岸地域研究」とでも呼ぶべき包括的な研究、およびそのための中東・アフリカ地域研究者間の協働が求められている。
最高指導者ターリク・サーレハは、3月のトランプ政権による空爆直後に、空爆は「国際社会がフーシー派の脅威を認識していることを裏付けるもの」であるとして、肯定的な評価を示した49。サーレハはこれらの空爆は軍事標的に限定され、人道被害を避ける必要があると述べた一方、前述の通りフーシー派支配地域内の民間インフラ・民間人に被害が生じている。空爆によって民間人に死傷者が発生したことが判明した後、サーレハと駐イエメン米国大使スティーブン・ファーギン(Steven Fagin)の電話会談が行われ、両者は民間人被害防止のための厳格な措置の必要性について合意したとされるが、実際にはその後も民間人被害は続いている50。国民抵抗軍は民間被害の拡大によって反米感情が高まりフーシー派に支持が流れることや、米国と連携する自組織への非難が高まることを懸念しているとみられる。
中露:米国のイエメン空爆に対するロシアの反応は微温的
前述の通り、OFACは3月にフーシー派幹部7名およびジャーブリーに制裁を科した。8名全員が兵器密輸の手引きやモスクワ訪問など、ロシアとの関係を言及されており、同派とロシアが関係構築を進めてきたことが改めて明らかになった。なお中国との関係が言及されたのは、ムハンマド・フーシーの1名のみであるが、アブドゥッサラームやマシャートが2016年に北京を訪問していたことや、中国製兵器がイエメンを含む紅海沿岸地域で頻繁に押収されていることは留意すべきである。
ロシア外務大臣セルゲイ・ラブロフ(Sergey Lavrov)はトランプ政権によるイエメン空爆に際して、米国国務長官マルコ・ルビオ(Marco Rubio)に対して攻撃停止を求めた51。他方でバイデン政権期の米英空爆開始時(2024年1月)にロシアが安保理緊急会合を開いて米英を糾弾した際と比べると、ロシアの反応は微温的であったといえる。過去の「イエメン情勢クォータリー」でも述べてきた通り、ロシアは米国の資源が紅海方面に割かれることに利益を見出し、ガザ紛争以降フーシー派との連携を強化してきた。しかし今般の空爆に対して微温的な反応に留まった要因として、ロシアはウクライナ戦争の交渉を巡りトランプ政権との関係を推し量っていることが挙げられよう。
中国外務省報道官毛寧は(米国の空爆後の)3月17日に開かれた定例会見にて、「中国は紅海の状況をエスカレートさせる、いかなる行動にも反対する」と述べ、対話と交渉による適切な解決を求める姿勢を示した52。紅海情勢の全ての当事者に自制を求める中国の方針に、変化はなかった。
その他:ハドラマウト県を巡るダイナミクス
フーシー派と米国の衝突に国際社会の注目が集まる一方、ハドラマウト県を巡る政治情勢に活発な動きが見られる。イエメン最大の面積を誇る同県は、同国の原油埋蔵量の80%を占めるマスィーラ盆地を有するだけでなく、歴史的に固有のアイデンティティや東南アジアへの移民ネットワークを持つ。
内戦の文脈では、ハドラマウト県は南部ムカッラーを中心とする南部移行会議系の勢力圏と、北部サイウーンを中心とするアリーミー政権派の勢力圏に大別される。さらに、ハドラマウト県の自治拡大を求める「ハドラマウト部族連盟」や「ハドラマウト包括会議」があり、自治系勢力の代表格は両組織の代表を務める同県副知事アムル・ビン・ハブリーシュ(‘Amr bin Ḥabrīsh)である。副知事職を担っていることから、ハブリーシュおよび自治系勢力は国際承認政府の枠内にあると言って差し支えない一方、2024年12月にハドラマウト部族連盟は治安や安定性の強化などを目的として、「ハドラマウト保護隊」の創設を発表した53。同隊の司令官はハドラマウト県出身のムバーラク・アウバサーニー(Mubārak al-‘Awbathānī, 少将)であり、彼は国際承認政府内では軍・治安部隊の統合を進める「最高軍事・治安委員会」の治安系メンバーである。しかし、同隊は国軍・治安部隊の指揮命令系統の外で活動するとみられている54。
1月7日に大統領指導評議会は、ハドラマウト県における状況「正常化」のための計画を発表した55。後述するように、同県では自県産出の原油などの富が(汚職が蔓延する)中央政府に不当に搾取されており、自県に分配されていないという不満を抱いてきた。そうした中で、同県の自治拡大を求める動きが高まっており、「ハドラマウト保護隊」の創設などは、自治勢力によるアリーミー政権派や南部移行会議に対する圧力とみなすことができる。こうした動きに対して、ハドラマウト県での勢力維持・拡大を目指すサウディアラビアは注視しており、3月下旬にサウディアラビア国防大臣ハーリド・ビン・サルマーン(Khālid bin Salmān)がビン・ハブリーシュと会談した56。
自治勢力の活発化と同等に重要なのが、ハドラマウト県において、アリーミー政権派やサウディアラビアを代表する武装勢力の変更が生じつつあることである。従来、同県における政権派の代表は第1軍管区隷下部隊であり、同区は政権派の中でもイスラーム主義政党「イスラーハ」の影響力が強いとみられてきた57。しかし、足元では大統領直轄部隊である「祖国の盾(Dir‘ al-Waṭan)」が第1軍管区隷下部隊に代わって検問所に進駐するようになるなど、政権派の中で第1軍管区部隊から祖国の盾への権力移譲が進められている。主にサウディアラビアの支援を受ける祖国の盾(2022年創設58)は、サラフ主義者を中心に構成されており、2024年10月の報道によれば兵員は20,000名程度とみられる59。また給与未払いが慢性化している一般的な国軍部隊と異なり、祖国の盾には毎月給与が支払われているとされ、サウディアラビアとしても支援に注力している様子が窺われる。
祖国の盾の台頭は大統領とイスラーハの関係だけでなく、大統領指導評議会内、具体的にはアリーミー政権派と巨人旅団の関係にも影響を与え得る。祖国の盾には指揮官級を含め巨人旅団出身者が複数いるように、両組織はサラフ主義者の受け皿となっている。換言すれば、主にUAEの支援を受ける巨人旅団は、祖国の盾同様にサラフ主義者を中心に構成されていることから、構成員の募集(recruitment)を巡って競争関係にあるといえよう。こうした競争は国内の反フーシー派諸勢力間や、サウディアラビアとUAEの軋轢を一層大きくする可能性がある。
「イエメン情勢クォータリー」の趣旨とバックナンバー
アラビア半島南端に位置するイエメンでは、2015年3月からサウディアラビア主導の有志連合軍や有志連合軍が支援する国際承認政府と、武装組織「フーシー派」の武力紛争が続いてきた。イエメンは紅海・アデン湾の要衝バーブ・マンデブ海峡と接しており、海洋安全保障上の重要性を有している。しかしながら、イエメン内戦は「忘れられた内戦」と形容され、とりわけ日本語での情勢分析は不足している。そのため本「イエメン情勢クォータリー」シリーズを通して、イエメン情勢に関する定期的な情報発信を試みる。
◆ バックナンバー
- 𠮷田智聡「8年目を迎えるイエメン内戦-リヤド合意と連合抵抗軍台頭の内戦への影響-」『NIDSコメンタリー』第209号、防衛研究所(2022年3月15日).
- ———「イエメン情勢クォータリー(2023 年 1 月~3 月)-イラン・サウディアラビア国交正常化合意の焦点としてのイエメン内戦?-」『NIDSコメンタリー』第258号、防衛研究所(2023年4月20日).
- ———「イエメン情勢クォータリー(2023 年 4 月~6 月)-南部分離主義勢力の憤懣と「南部国民憲章」の採択-」『NIDSコメンタリー』第266号、防衛研究所(2023年7月18日).
- ———「イエメン情勢クォータリー(2023年7月~9月)-和平交渉の再開とマアリブ県で高まる軍事的緊張を読み解く-」『NIDSコメンタリー』第281号、防衛研究所(2023年10月19日).
- ———、清岡克吉「イエメン情勢クォータリー(2023年10月~12月)-国際社会に拡大するフーシー派の脅威と海洋軍事活動の活発化-」『NIDSコメンタリー』第295号、防衛研究所(2024年1月26日).
- ———「イエメン情勢クォータリー(2024年1月~3月-10年目を迎えたイエメン内戦とフーシー派の支持拡大-」『NIDSコメンタリー』第308号、防衛研究所(2024年4月12日).
- ———「イエメン情勢クォータリー(2024年4月~6月)-フーシー派による軍事的エスカレーションの継続と国内統制の強化-」『NIDSコメンタリー』第341号、防衛研究所(2024年7月23日).
- ———「イエメン情勢クォータリー(2024年7月~9月)-「9月21日革命」10周年を迎えたフーシー派の新地平-」『NIDSコメンタリー』第356号、防衛研究所(2024年10月18日).
- ———「イエメン情勢クォータリー(2024 年10 月~12 月)-フーシー派の対外攻撃再拡大と中東情勢の変化による同派への影響-」『NIDSコメンタリー』第361号、防衛研究所(2025年1月24日).
Profile
- 𠮷田 智聡
- 理論研究部社会・経済研究室 研究員
- 専門分野:
中東地域研究(湾岸諸国およびイエメンの国際関係・安全保障)、現代イエメン政治