教育

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防衛研究所の課程教育

防衛研究所では、将来の我が国の防衛政策を担う安全保障ストラテジストを養成することを目標に、防衛省の幹部職員に対し、戦略的課題を整理・分析し構造化する能力の涵養、仮説を構築し・検証し・創造的に戦略を提示する能力の涵養、説得力ある戦略を発信し・実現する能力の涵養等を重視した安全保障戦略課程と安全保障戦略特別課程の2つの課程教育(注)を毎年、実施しています。
令和6年で通算72年目を迎えた安全保障戦略課程と通算70年目を迎えた安全保障戦略特別課程の修了生は、それぞれ2,666名及び2,794名を数え、多くの安全保障ストラテジストを輩出してきています。
加えて、両課程においては、変化が激しく不確実性の高い今日の社会状況に鑑みれば、多様な視点・見解を交換し、互いに切磋琢磨し合える課程環境を確保することが戦略的能力の涵養にとって重要であること等を踏まえ、防衛省以外からの多様な人材の課程参加についても推進してきています。

(注)防衛研究所では、今後とも戦略性をより一層向上させたカリキュラムを追求・展開すべく、令和6年度に開始する課程から、これまでの一般課程を安全保障戦略課程に、特別課程を安全保障戦略特別課程にそれぞれ移行し、名称変更しました。

課程修了生銘板

課程修了生銘板

【両課程の概要】

教育課程名 期間 研修員
安全保障戦略課程 10ヶ月間 【部内】
幹部自衛官(1佐クラス)、事務官等(本省内部部局課長補佐クラス)
【部外】
国の行政機関職員、地方自治体の職員、民間企業の社員、外国からの留学生
(大佐・中佐クラスの軍人等)等
安全保障戦略特別課程 約3週間 【部内】
幹部自衛官(将補・1佐クラス)、事務官等(本省内部部局課長クラス)
【部外】
国の行政機関職員、地方自治体の職員、民間企業の社員等

安全保障戦略課程

安全保障戦略課程は、毎年9月から翌年6月までの10ヶ月間で、総合的・網羅的に安全保障に関する知識を付与するとともに、これらの知識をベースとして戦略的能力の向上を図る課程です。
本課程においては、部内外の専門家から、安全保障の理論・戦略として、宇宙・サイバー・電磁波領域等の安全保障、経済安全保障などに関する講義が行われるほか、国際情勢、戦史などに関し、約20の講座(約150の講義)により、知識のインプットを行うとともに、テーマを絞った約30のセミナーによりこれらの知識の更なる深化を図ります。
また、これらと併せて、本課程においては、一定の条件下で戦略的な演習を行う政策シミュレーションや論文作成を通じ、インプットした知識をアウトプットすることで、インプットした知識の定着と戦略立案能力・実現能力等の向上を図ります。
さらに、本課程においては、国内外における現地研修を行うとともに、各界の著名人等による特別講義や各政党の安全保障政策について国会議員の方々から直接お話を伺う機会も設けています。
なお、本課程の修了に加え、政策研究大学院大学において一定の単位を履修等した場合に修士(政策研究)の学位が付与される戦略研究プログラム(SSP)も設けており、これまで64名の研修員が修士号を授与されています。

第1期安全保障戦略課程入所式
第1期安全保障戦略課程入所式
講義
講義
セミナー
セミナー
政策シミュレーション
政策シミュレーション
国内現地研修
国内現地研修
国外現地研修
国外現地研修
特別講義(駐日英国大使)
特別講義(駐日英国大使)
政策研究大学院大学(GRIPS)秋季学位記授与式
政策研究大学院大学(GRIPS)秋季学位記授与式

安全保障戦略特別課程

安全保障戦略特別課程は、例年7月、約3週間の期間の中で、今日的な政策課題等に係るものを中心とした安全保障に関する深い知識を付与するとともに、これらの知識をベースとして戦略的能力の向上を図る課程です。
本課程においては、直近の政策課題を踏まえて定める研修テーマの下、部内外の専門家から、安全保障の理論・戦略として、宇宙・サイバー・電磁波領域等の安全保障、経済安全保障などに関する講義を行うほか、国際情勢、戦史などに関し約10講座(約20講義)により知識のインプットを図ります。
また、これと併せて、本課程においては、これらインプットした知識に基づき、班別・全体の討議や政策シミュレーション等を行い、知識の定着と戦略立案能力・実現能力等の磨き上げを行うとともに、防衛事務次官、統合幕僚長、防衛装備庁長官等による特別講義も実施します。

講義
講義
政策シミュレーション
政策シミュレーション
第1期安全保障戦略特別課程修了式
第1期安全保障戦略特別課程修了式
特別講義(防衛事務次官)
特別講義(防衛事務次官)
特別講義(統合幕僚長)
特別講義(統合幕僚長)
特別講義(防衛装備庁長官)
特別講義(防衛装備庁長官)