近代東アジアの軍事史

本論文集は、20世紀前半における近代東アジアの軍事史をテーマにして、日本、中国、ロシア(ソ連)、欧米諸国の政治、外交、安全保障を主たる考察の対象としている。今般の日本を取り巻く安全保障環境を理解するための歴史的視座の提供を目指して編さんしたものである。

第1部 近代東アジアにおける軍事⼒と国際秩序

  • 近代⽇本のアジア主義と東アジア地域秩序
    松浦正孝
  • ソ連の極東戦略と国際秩序
    花⽥智之
  • ⽇中戦争拡⼤期における中国国⺠政府の戦争指導と軍事体制
    藤井元博

第2部 近代東アジアをめぐる情報戦

  • 太平洋戦争期の⽇本の政府及び軍のプロパガンダ(宣伝)認識 ―南⽅作戦の視点から―
    ⽴川京⼀
  • 蔣介⽯と⽇⽶開戦――情報と戦略
    岩⾕ 將
  • 情報戦としての⽇本陸軍の対ソ諜報活動――「情報将校の系譜」と終戦⼯作――
    花⽥智之
  • 中国国⺠政府の戦時体制と情報活動――政治⼯作の役割を中⼼に
    藤井元博

第3部 太平洋戦争における⽇本の戦争指導 1941−1945

  • 開戦期の戦争指導
    相澤淳
  • 太平洋をめぐる戦いと戦争指導の再検討
    ⽯丸安蔵
  • 第⼆回戦争指導⼤綱の決定
    斎藤達志
  • 絶対国防圏体制の強化と破綻――太平洋正⾯を中⼼に――
    斎藤達志
  • ⼩磯国昭内閣と決戦
    和⽥朋幸
  • 鈴⽊貫太郎内閣と終戦
    花⽥智之