安全保障研究

政策指向の調査研究

防衛研究所は、防衛省のシンクタンクとして、防衛省の政策ニーズに適時・適切に応えるため、我が国の安全保障に関する諸問題について調査研究を行っています。また、政策研究部、理論研究部、地域研究部からなる3部体制へと改編し、より幅広い安全保障研究に向けた体制を整えています。

防衛研究所は、政府のシンクタンクであることに加え、学術的な研究機関という複合的な側面を持ち合わせています。 その特性であるアカデミック・フリーダム、既存の枠組みにとらわれない柔軟な思考、将来を見据え た長期的な展望は、防衛研究所が実施する調査研究にも反映されています。

研究課題に取り組むにあたって、防衛研究所では多様な学問的バックグラウンドを持つ研究者、そして実務的なキャリアを持つ自衛官が協力して調査研究を行っています。また、防衛省・自衛隊や国家安全保障局などの政府機関、国内外の大学やシンクタンクなどの学術機関、民間企業などのビジネスコミュニティー、報道機関などのメディアとも知的交流を推進しています。

研究課題

現在の日本を取り巻く流動的な戦略環境に対応するよう配慮しており、日本の安全保障に深く関わるテーマとして、次のような課題に取り組んでいます。

アジア太平洋地域の戦略環境

防衛研究所は、我が国の安全保障に大きな影響を与えるアジア太平洋地域の戦略環境について、米国、 中国、朝鮮半島、ロシア、東南アジアなどを中心に調査研究を進めています。 その際、外交、経済、内政、軍事を含めた総合的な観点から独自の分析を行っています。更に、日米 同盟に加えて、この地域の安定を図るため、多層的な安全保障協力の在り方も研究しています。

グローバルな安全保障課題

国際社会は、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散、国際テロリズム、海賊行為等の脅威に直面してい ます。また、海洋、宇宙及びサイバー空間のいわゆるグローバルコモンズの安定的利用に対するリスク も高まっていることも懸念されます。防衛研究所では、これらのグローバルな安全保障課題への対応と 軍事力の役割の在り方についての調査研究に取り組んでいます。

現代の紛争と軍事力の役割

現代の紛争は、ますます多様化するとともに、複合的な性格を帯びるようになり、軍事力の役割も変化しつつあります。防衛研究所では、現代の紛争の原因と形態を分析し、これらの紛争の予防、対応、さらには紛争後の復興支援に至るまで、さまざまな取り組みについて研究を行っています。

自衛隊の管理・運営

防衛省のシンクタンクである防衛研究所は、防衛戦略、安全保障法制、防衛力整備、危機管理、日米 同盟や国防組織の在り方、諸外国との防衛交流や装備協力など、自衛隊の管理・運営に直接資する調査 研究を内部部局や各自衛隊と連携しながら実施しています。

政策立案への協力

防衛研究所では、研究成果を防衛省や国家安全保障局等の政策立案の資として適時適切に提供できるよう、さまざまな取り組みを行っております。

防衛省政策担当部局の要請に基づき調査研究を実施することに加えて、東アジアの安全保障動向や我 が国の安全保障問題について、防衛大臣をはじめとする防衛省幹部、国家安全保障局等の他省庁関係者、 国会議員などに対して、ブリーフィングを行っています。