史料室紹介

史料室の概要

防衛研究所では、戦史の調査研究と戦史の編さんを行うために、陸海軍にかかわる史料の収集を行いました。史料の大半は終戦時に焼却され、あるいは戦後の混乱により散逸してしまいました。焼却をまぬがれたものは米軍に押収され、米国国務省公文書部の保管するところとなりましたが、長い外交交渉の末、昭和33年4月にようやく我が国に返還され、その大部分が防衛研究所に所蔵されています。これら米国返還史料のほか、戦後厚生省復員局が整理保管していたもの、防衛研究所が自ら収集したものを含め、防衛研究所戦史研究センター史料室が保管する明治期以来の旧陸 · 海軍の公文書類等は約167,000冊(陸軍史料約59,000冊、海軍史料約41,000冊、戦史関連図書等約67,000冊)にのぼっております。

史料の主なものを挙げれば次のとおりです。

  • 陸軍関係
  • 海軍関係
  • 戦史叢書

陸軍省大日記

陸軍省が編集した明治元年から昭和17年までの公文書で、密大日記、陸支密、陸満密等の約20種の項目に区分されています。
国立公文書館 アジア歴史資料センター別ウィンドウを通してWEB上で目録と史料内容の閲覧が可能です。

陣中日誌 · 戦闘詳報等

海軍省公文備考

海軍省が編集した明治9年から昭和12年までの公文書で、教育、艦船、兵器等の20種の項目に区分されています。
国立公文書館 アジア歴史資料センター別ウィンドウを通してWEB上で目録と史料内容の閲覧が可能です。

戦時日誌 · 戦闘詳報等

戦史叢書

戦史叢書

1966年(昭和41年)から、防衛庁防衛研修所戦史室(当時)は、旧帝国陸海軍の史料の収集・整理を進め、先の大戦に関する公刊戦史「戦史叢書」を編さんしました。1980年(昭和55年)に編さんを終えた『戦史叢書』は、大本営関係34巻 · 陸軍戦史37巻 · 海軍戦史21巻 · 陸軍航空戦史9巻 · 年表1巻の全102巻に上りました。先の大戦において日本が開戦に至った経緯や戦争指導、個々の作戦について、残された文書や口述記録、外国の公刊戦史などをもとに詳説しています。「戦史叢書」は、その多岐にわたる内容や戦争指導にあたった人々からの貴重な証言を込めた叙述から、現在に至るまで、我が国の太平洋戦争史研究の基本文献として位置づけられています。また、2016年には、第3巻『蘭印攻略戦』の正式な英語翻訳版「The Invasion of the Dutch East Indies」が公開され、高い評価を得ました。なお、「戦史叢書」全巻は、現在、防衛研究所ホームページに設置されている『戦史史料・戦史叢書オンライン検索』において、全文の電子版が公開されております。