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アジア・太平洋諸国安全保障セミナー

議長総括 第14回アジア・太平洋諸国安全保障セミナー

於 防衛研究所 2007年11月11日~17日

  1. 防衛研究所は、「地域安全保障構築への展望—信頼醸成措置と安全保障取り組み」というテーマで第14回アジア・太平洋諸国安全保障セミナー(APSS)を開催した。
    域内からは、以下の21か国から代表が参加した。
    オーストラリア連邦、ブルネイ・ダルサラーム国、カンボジア王国、カナダ、中華人民共和国、インド、インドネシア共和国、日本、大韓民国、ラオス人民共和国、マレーシア、モンゴル国、ミャンマー連邦、ニュージーランド、パキスタン・イスラム共和国、パプアニューギニア独立国、フィリピン共和国、ロシア連邦、シンガポール共和国、タイ王国、アメリカ合衆国
  2. 研究会は、基調講演と討論から構成された。西原正平和安全保障研究所理事長が「アジア及び太平洋地域における安全保障協力の推進」と題された基調講演を行った。
  3. 参加者は討論において以下の3つの問題について発表した。すなわち「地域の潜在的脅威と不安定要因の評価」、「各国の信頼醸成政策の理解」及び「将来の安全保障協力の探求」である。
  4. 最初のトピックである「地域の潜在的脅威と不安定要因の評価」について、参加者は、領土紛争、兵力増強、大量破壊兵器の拡散、国際的テロリズム、海賊、感染症、自然災害、不法移民、貧弱な統治・行政、国境を越えた組織的犯罪、民族紛争と分離主義、資源競争、貧困、社会経済の不均衡、環境の悪化を潜在的脅威及び不安定要素として確認した。
  5. 第二のトピックである「各国の信頼醸成政策の理解」について、参加者は二国間・多国間対話、情報共有、災害救援・人道支援・平和維持における防衛協力、そして軍事交流や共同演習を含む様々なCBMやその他のイニシアチブを検討した。
  6. 第三のトピックである「将来の安全保障協力の探求」について参加者は、様々な対話をつうじての透明性や相互理解の重要性を強調した。また、新たな地域規模の協調的イニシアチブの可能性も探求した。
  7. 総合討議で参加者は、「どのような分野で多国間枠組みが建設されうるか」、「国連はより効果的に機能するようにすべきか。どのようにして」「大国は安定を維持するためにどのような役割をはたすべきか」の三つの論点を議論した。第一の論点に関しては、災害救助や人道援助およびより一層の調整やSOPの必要性が議論された。また不拡散のための多国間枠組みも語られた。第二の論点に関しては、参加者は国連をより活性化させることに合意したが、大国が大きな影響力を持っている現実も認めた。また、国連の資源の限界や小国の建設的役割にも触れた。第二の論点に関しては、大国は地域の安定に道徳的、政治的責任があることが強調された。しかしながら、民主主義や人権といった価値の意味について、多くの参加者から多様な意見が表明された。
  8. 第14回APSSの成果は、次回のASEAN地域フォーラム(ARF)国防大学校長等会議に報告される。

注: APSSは、参加国相互の信頼醸成のための多国間安全保障対話として1994年以降毎年開催されており、発足以来、幅、深さの両面で安全保障対話を充実させてきた。1994年に13ヶ国の代表を招いて開始されたAPSSは、いまや22ヶ国が参加するまでになっている。その基本目的及び協議事項は、ASEAN地域フォーラム(ARF)国防大学校長等会議と共通している。

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