所長挨拶

防衛研究所長

防衛研究所のホームページをご訪問いただきありがとうございます。

防衛研究所は、防衛省のシンクタンクであるとともに、我が国唯一の国立の安全保障に関する学術研究・教育機関です。当所では、安全保障や戦史に関する調査研究を行うほか、諸外国の国防大学に相当する教育機関として、防衛省・自衛隊の幹部及び他省庁の職員等への教育を行っております。

令和5年現在、防衛研究所には約90名の研究者が所属しており、政策研究や国際・地域情勢分析に加え、法律、経済、社会、戦史などの伝統的な分野に留まらず、宇宙やサイバー分野の研究も行っています。また、公文書管理法に基づいて「歴史資料等保有施設」に指定され、多数の戦史史料等を保存し利用に供し、戦史研究に貢献しております。

教育に当たっては、国家安全保障及び国の防衛に関し、軍事的な視点のみならず、研究者と各国駐日大使等の部外講師が一体となって政策的な視点からの教育を行っております。

さらに防衛研究所は、防衛省の防衛交流・安全保障対話の一翼を担う機関として、各国の国防研究機関との間で、研究交流・教育交流を行うとともに、民間の研究者を含む海外の研究者・専門家との間で、ネットワークの構築や安全保障問題に関する共通の理解を深めることを目指して、各種国際会議の主催や研究者の海外への派遣及び招へいなどを行っております。

これらの成果についてはさまざまな形で、情報発信に努めております。例えば、中国の軍事・安全保障について中長期的な視点から分析を行う『中国安全保障レポート』、地域や政策領域を横断して世界の戦略トレンドを分析する『NIDSパースペクティブ』、安全保障の専門学術雑誌として部外からの投稿も募集する『安全保障戦略研究』のほか、『戦史研究年報』を年次報告書として刊行しております。また、ホームページ上では、安全保障上のトピックをタイムリーに解説・論評する「NIDSコメンタリー」、『朝雲』紙と連動した研究者による解説記事「防研セミナー 時代を読み解く」を掲載しております。

令和4年12月に決定された国家防衛戦略や防衛力整備計画においても、防衛研究所を中心とする防衛省・自衛隊の研究体制を見直し・強化し、知的基盤としての機能を強化することや、研究・教育機能を一層強化することが掲げられております。

また、防衛研究所は、文部科学省及び日本学術振興会の科学研究費助成事業(科研費)に応募できる研究機関に指定されております。これにより、他のシンクタンクや大学の先生方との共同研究を積極的に推進し、研究能力の更なる向上に努めてまいります。

これからも、国民の皆様に安全保障に関する知識や情報を正確に発信できるようSNSを含めさまざまな手段で取り組んでまいります。ぜひ防衛研究所のことを知り、関心を寄せていただきたくお願い申し上げます。

防衛研究所長 石川 武